赤い惰性日記 / Red Inertia’s Diary

徒然なるままに惰性で😎

ロジャー・テイラー全曲解説「序」

 

 2019年4月1日にロジャー・テイラーが突然ソロ曲を発表した。毎度毎度のことながら、なんの前触れもなく彼はやってくれる。


Roger Taylor - Gangsters Are Running This World (Official Lyric Video) - YouTube

 

「Gangsters Are Running This World」

通りには血が流れ

狂騒が空気を支配している

マーケットの高騰も

恐怖と狂気によるものだ

 

ベッドに横になり

思考を休めようとする

心配ごとが山積みで

胸を締め付ける

 

悪党どもがこの世界を駆け回っている

叫び声を上げたとしても

誰の耳にも届かない

悪党どもがこの世界を駆け回っている

 

 非常に、ロジャーらしい歌だ。現代社会の一面に対して、問題提起をしながら、あくまでもエンターテインメントとしてわれわれに提供すべく、コード進行、メロディ、そしてインストゥルメンタルからバッキングボーカルまで、無駄なく構築されている。

愛の翼にのって飛び立ちたい

顔に吹き付ける空気を綺麗にしたい

境い目だって壁だって

全て取り払ってしまいたい

人類の一員でありたいと願っている

愛の翼にのって飛び立ちたい

希望という名の道を駆け抜けたい

愛の翼にのって飛んでゆきたいんだ

 

 ここでロジャーは、飾り気もなく率直に自分の願いを歌にのせている。ただ、そこへたどり着くまでに積み重なる歌詞の重みはなかなか現実的で、苦味深い。近年のインタビューなどを見ていても、あまり多くを語らない彼は、やはりミュージシャンなのだ。

 

重大で深刻な問題

 

 「全曲紹介するぞ」と言ったものの、困ったことに、実は、ロジャー・テイラーのことをそれほどよく知らないのだ。クイーンではなくフレディ・マーキュリーのファンである私にとって、実は一番遠い存在だったのかも知れない。もちろん、クイーンと知り合ってから今に至るまで、この24年間、彼のソロが出れば必ず確認していたし、彼がクイーンの活動と並行して組んでいたザ・クロスというバンドの楽曲も含めて、全て聴いてはきたのだが、改めて向き合おうと思った。そのきっかけになった件については、一連の記事の最後に書こうと思う。

 なにしろ、最も多作であり、現役で活動をしている音楽家の作品群について書こうというのだから、一朝一夕で書ききれるとは思わない。しかも、困ったことに、求められるインテリジェンスが極めて高いのだ。

オスカー・ワイルドレッド・ツェッペリンに出会う

 『イニュエンドウ』の印象について聞かれたとき、ロジャーは簡潔にそう答えている。私はこれまで、英国、日本を中心にこのアルバムに関して評価する内容の言説を、それこそ1990年当時の文献や、1991年以降の文献を含め様々見てきたが、これほど端的に核心を突いている言葉と未だに巡り会っていない。

 

目次

 

  • 1970年代
  • 1980年代
  • 1990年代
  • 2000年代
  • 2010年代

 

 7つに分けて書こうかと思う。ただ、あくまでも予定なので、実際にどうなるかはわからない。もう少し短くなるかもしれない。

 

次回予告

「1970年代〜サイケデリックなロンドンが呼んでいる〜」

 

お楽しみに😎